日立の笠戸事業所(山口県下松市)で働くフィリピン人技能実習生20人に会社は、実習途中の解雇を通告した。国の監督機関から実習計画の認定が得られず、技能実習生としての在留資格が更新されなかったため。
実習生は10月20日までしか在留できず、帰国を迫られるが、個人加盟の労組に加入し、日立に解雇の撤回などを求めている。
今回の大量解雇・強制帰国の原因は、日立が不正実習をしていたからとされている。しかし、日立は不正はなかったと主張し、2年次の実習計画が「実習機構」に認められず、在留期限が来たために解雇し、帰国させざるを得なくなったと言っている。
だが、犠牲となるのは実習途中で解雇され、帰国せざるを得ないフィリピン実習生たちである。
笠戸事業所では約300名のフィリピン技能実習生が働いているが、今回の強制帰国対象者は1年3カ月実習を行っていた人たちであった。
第1陣の強制帰国対象者は20名で、すでに入管で「出国準備」のアプリケーションが行われ、在留期間は30日、就労もできない状態となっていた。帰国予定日は10月20日である。
彼らについては9月20日に解雇、同日付で1か月分の解雇予告手当の支払い通知が出されていた。10月10日には第2陣の20名に対して、同様の解雇通知が行われた。今後、11月初旬には残り59名に対して解雇が行われる可能性が高い。
年内に4次にわたって強制帰国させられる99名中8割のメンバーがスクラムユニオンに加盟した(10月14日現在)。
スクラムユニオンとしては、フィリピン実習生たちの利益を守るためにたたかう方針である。
具体的には、彼らの逸失利益=今後約2年間の賃金相当額の支払いを確保すること、慰謝料を請求することである。
この責任は、日立はもちろんのことだが、監理団体であるフレンドニッポンにも取らせなければならない。現在実習生の強制帰国は1カ月間延期となっている。
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