根室本線の維持について考える「JR根室本線(新得〜富良野間)の路線維持を!北海道の鉄路存続と再生を考える十勝の集いin帯広」が11月6日、帯広市内で開かれ、「オール十勝・オール北海道の声を上げて東北海道の歴史ある鉄路を守ろう」と決意を固めた。
主催したのは新得町民有志でつくる「JR根室本線の災害復旧と存続を求める会」(平良則代表)。同会は6月に新得町で「十勝集会」を開いており、帯広市での開催は初めて。
根室本線の新得〜富良野間は2016年の連続台風で被災し、JRはバス転換・鉄道廃止の方針であり、災害復旧を行わないため、廃止の危機にある。
集いには十勝管内の首長や各級議員、住民の他、上川管内南富良野町、占冠村の議員、住民など220人が参加した。また、十勝、上川、釧路の3管内の町村長らがパネリストとして出席し、「根室本線維持は東北海道全体の問題」として鉄路存続と再生を訴えた。
主催者を代表して平代表は、6月21日に開いた「路線維持を求める十勝集会」や8月29日に国土交通省に5034筆の署名を提出したことを報告、「北海道の鉄路存続と再生に向けて活動を進める」と挨拶した。
浜田正利新得町長は「根室本線は、北海道の将来にとってなくてはならない路線。片方では、必要かという議論に立ち向かっていかなければならない。北海道全体で議論がどう作られていくのか、新得という小さな自治体でどこまで負担できるのか、考えなければいけない」と述べた。
十勝地区農協組合長会の笠井安弘副会長は「JR北海道は旅客鉄道だが、農業者にとって貨物は非常に大きな役割を果たしている。十勝からの生産物7万トンが鉄路で輸送されている。人もいない、トラックもないという状況が続いており、農産物が消費地に届かなくなる」と鉄路の必要性を訴えた。
十勝管内商工会連合会の竹田悦郎会長は、「8月にJR北海道本社に存続を要請し、国土交通省にもお願いしてきた。十勝と上川を結ぶ根室本線は歴史ある鉄道であり、経済団体としても存続を強く要望していく」と話した。
立憲民主党の石川かおり衆院議員(北海道11区)は、「農業・観光・物流の面からも大切な根室本線の路線維持・災害復旧を国に要請していく」と述べた。
旭川市長や富良野市長、新社会党など政党、各級議員のメッセージが紹介され、北海道教育大札幌校の武田泉准教授(JR北海道研究会)が、「つなげよう根室本線!〜復旧・存続から再生への道筋〜」をテーマに基調提起した。
パネル討論「公共交通と根室本線の役割」では、十勝町村会の橋正夫会長(本別町長)が司会を務め、釧路町村会の棚野孝夫会長(白糠町長)、上川町村会の池部彰副会長(南富良野町長)と平代表、武田准教授が意見を交わした。
会場発言の後、清水町の北村光明町議が「オール十勝・オール北海道の結束を強め、国・JR北海道・道に対してJR根室本線の早期災害復旧と路線維持を」とのアピールを提案し、採択した。最後に、新得町議会の菊地康雄議長が参加者にお礼を述べた。 |