会社は「知らない」連発
相模鉄道の労働者を一方的にバス会社に出向させたことを発端とする相鉄事件控訴審の弁論が8月6日、東京高裁で行われた。一審は敗訴(県労働委員会は不当労働行為を認める)も、直ちに原告は控訴し、1年余りに及ぶ弁論が東京高裁で続いていた。
6日は双方の尋問が行われ、原告証人として相鉄労組書記長、被告証人として当時の労務課長が立った。原告証人は、「出向は定年まで保障され、転籍するなどの言及はなかった」、これに対して被告証人は「バス分社化提案当時、転籍の議論はしていない」「それ以前のことは知らない」と繰り返した。
会社は、バス分社時の、出向、転籍問題を「知らぬ存ぜぬ」で突き抜ける戦術に見えた。裁判長からは、次回弁論(10月29日11時)で結審とすると通告があった。
また、裁判とは別に中央労働委員会審議(地労委は「不当労働行為」と勧告)が進行しており、次回の開催は10月24 日を予定している。
【解説】
《相鉄事件》相模鉄道ホールディングスが一方的に労使協議を反故にした事件。相鉄の労働者を、バス会社分社時に、相鉄バス会社に出向した組合員(運転士)
を「転籍に応じない」からと強制的にハンドルを取り上げ、グループ会社の清掃作業やマンション管理人などに配転(追い出し部屋)させたもの。
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