過酷な職場実態改善を
東京都墨田区にある大久保製壜所(ガラス瓶、プラスチック容器の製造)に働く東京・東部労組組合は、7月7日に発生した労災事故に対して責任追及のストライキを8月23日9時に決行した。
事故は、東部労組大久保製壜所支部(以下支部)の組合員と職場の労働者3人が倒壊した製品の下敷きになり、消防のレスキュー隊に救助された。3人は腰椎骨折・両足かかと複雑骨折など大怪我を負った。
職場では、1トン前後のガラス壜の重量製品が、4段から6段と高く積まれていた。支部は、「多段積みは必ず事故を起こす」と繰り返し安全対策を要求してきた。しかし、会社は要求を無視して、多段積み状態を放置してきた。
支部は今年2月、向島労基署に問題を申告した。労基署は5月20日、会社に「荷の崩壊や荷の落下による労働者の危険の低減対策を行うこと」との指導票を発したが、会社はこの指導票をもみ消していた。
支部は、明確な人災事故だとして、5項目(3人に謝罪と慰謝料、12時間シフト労働の廃止、労基署の指導を受け止め抜本的な職場改善、真摯な団体交渉など)を掲げてストを決行した。
小雨の振りしきる大久保製壜所前には、当該の東部労組組合員、大久保製壜支部組合員と支援者が200人結集した。社前の道路はのぼり旗で埋め尽くされた。
東部労組の菅野存委員長の司会で、会社の利益優先による過酷な職場実態と誠意のない団体交渉などの経過とストライキに至る経過が報告された。
続いて当該支部の金澤新悦支部長からは、「労基署の指導を無視して、多段積みの繰り返しで事故を起こしたのは人災だ。会社は、全く職場の安全を省みない」と怒りを込めて訴えた。支援に駆けつけた支援者らから次々に連帯の挨拶、励ましの声が続いた。
金澤支部委員長が5項目の申し入れ書を手渡そうと正面入り口に立つと鍵がかけられ、入り口を封鎖していた。ストライキ集会は工場を周回するデモ行進をした。
2時間30分あまりの集会は、金澤支部委員長の団結頑張ろうで閉会した。当該組合のストライキと支援者との団結は限りなく会社を追い詰めている。
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