東北道・佐野サービスエリア上り線のフードコートと売店を運営する、栃木県佐野市のケイセイ・フーズの労働者がストライキに入り、8月14日未明から営業を中止した。
事態を調べると「同社の親会社は地元の建設会社。信用不安情報から、7月25日前後にフードコートや売店に商品が納入されなくなった。会社運営の資金繰りの問題を糾弾した労働者が解雇された。不満に思った労働者はストに立ち上がった。
今日、ストライキは禁句のごとく、報道も迷惑を売り物に記事を載せる。「通常なら、お盆で混雑する時期の出来事が、利用客に戸惑いや落胆が広がった」(『朝日』・8月15日)など、経営視点、消費者視点で報道が繰り返され、ストで迷惑をかけるのは労働者だと言わんばかりだ。
8月20日の12時に佐野サービスエリアを訪ねた。ちょうど昼時で駐車場は満車に近かった。まずレストランに足を運ぶと、「レストラン営業休止中」の張り紙が入口扉に貼られていた。その横に、「ショッピングコーナー・フードコートは営業中」の貼り紙が小さく貼られていた。
フードコートに足を運ぶと調理コーナーの半分は消灯され、片隅で佐野ラーメンを湯切りする調理員が忙しく働いていた。自動券売機は、大きな貼り紙が貼られていた「本日は佐野ラーメンのみの販売となります」。調理を手伝うのは、NEXCO日本の子会社の職員が動員されている。
これまで、ケイセイ・フーズ岸敏夫社長は、一部の取材に応じ「仕入れ業者との注文の食い違い、社員の不当解雇があってストライキになったと述べ、すでに15日の段階で解雇は撤回した」などと明言した。
一方、解雇された労働者(管理職員)は、14日の深夜に「会社側から解雇を撤回する旨のメールがきた」ことを認め、同じメールに「営業再開に向けた業務委託契約の話がしたい」と書かれていたため、その具体的な内容について知りたいと返信したものの、会社側から返答がなかった、としている。
しかし、社長は一部メディアの取材を受けている。「社員は不平不満もなく営業再開に向け打ち合わせが進んでいる」と答えたことを知り、驚いていると述べる。
そもそもストライキに入った要因は、上司のパワハラも影響を及ぼしていることが明らかになった。現場を指揮する総支配人(40代半ばの男性・関西方面のホテル支配人からヘッドハンティング)。1日に職場に顔を出すのは3時間程度。毎朝の朝礼で、「売り上げが落ちているのはお前らがなってないからだ」など名指しで恫喝をする。
代表するKさんは、「退任を求める署名」を総支配人に突きつけ、社長にも進言をした。会社経営陣はパワハラを見て見ぬふり。会社の責任は重い。ストライキに入って2週間あまり立った今も解決は見られない。

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