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  4. 2020.07.14
 
関生弾圧でシンポジウム
団結の条件は拡大  

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の武健一執行委員長ら延べ89人の不当逮捕や長期勾留されたことを巡る、シンポジウム「今、見逃せない労働組合弾圧」が621日、大阪市西区の労働館で開かれた。

 最初に発言した永嶋靖久弁護士(関生支部弁護団)は、反弾圧の経過と裁判の状況について一覧表にし、裁判長もあきれるほどの同一事件で裁判進行中に5回にも分けて連続して逮捕・弾圧する警察、検察のやり方などを報告した。

 「憲法や労働三権を盾に企業に不都合な要求を押し通そうとするのは、ヤクザよりたちが悪い」と捜査当局は労働組合への憎悪感すらもっており、「関西全域で、労使が協力して生コン価格の『値戻し』を進めたことが弾圧の背景」と解説した。

 亀石倫子弁護士は「排除しやすい人への攻撃から始まる」と、ダンスクラブやタトゥー彫師の事件を例に、今回の弾圧事件の反撃の方向性を探る提起をした。

 竹信三恵子和光大学名誉教授はジャーナリストの立場から、労働法の立場からのしっかりした知見、"ストーリー"を私たちがつくり発信することが重要だと話した。

 吉田美喜夫立命館大学名誉教授は弾圧の性格について、「時代の意識、主張」と関係するとし、関生支部が自由競争にとって看過できない存在であり、「お前の努力が足りない」という新自由主義政策との衝突にあったと指摘した。

 不当な保釈条件をつけられている武委員長と湯川祐司副委員長はビデオレターで登場した。
武委員長は弾圧の本質について、「まともな労働組合の広がりを阻止するには、成果を上げている関生に打撃を与えて、御用組合的な労働組合しか認めないという権力の意図を強く感じる」と述べた。

 そして、「あきらめずにやれば必ず世の中は変わる。コロナ問題で非正規が切られ、中小・零細企業が倒産して団結できる条件は拡大している」と、これからの運動の仕組みを創りだそうと、労働運動に携わる人たちに呼びかけ、活気あふれる集会となった。


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