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  4. 2020.08.18
 
東北芸工大の民主化求め 
おきたまユニオン 許すなパワハラ      

教員が山形地裁に損害賠償請求

 山形県米沢市のおきたまユニオン所属で山形市の東北芸術工科大学に勤務する准教授・佐藤智美(仮名)組合員は、研究に必要な出張の規制や拒否など数々のハラスメントを大学側から受けたとして716日、山形地裁に慰謝料など3千万円の賠償を求め提訴した。

 佐藤組合員は123月、有期雇用の常勤嘱託研究員として同大学に採用され、134月からは無期雇用の研究院・講師となった。そして、佐藤組合員は1310月から約5年間、文科省の補助事業である「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」を中心的に担ったが、その事業のセンター長からアカデミック・ハラスメントなどを受けた。

 例えば、研究スタッフの補強の拒否や様々な企画提案の否定、研究業務遂行に必要なハーバード大学への出張を拒否され私費で対応など、研究事業の妨害を受けた。その他、@無視、A嫌がらせ、B過大な仕事の押し付け、C過小評価なども繰り返された。

 さらに佐藤組合員は184月、大学側から辞めろと言わんばかりに無期雇用から有期雇用に同意を迫られ、おきたまユニオンに加入。それ以降、@不当解雇A就業規則の不利益変更B数々のハラスメントなどに関する要求書を提出し、1912月まで7回交渉した。

 ところが佐藤組合員に対する大学側の嫌がらせは交渉中も止むことはなかった。その典型が、@「パワハラを認めてやるから1910月末で退職せよ」との退職強要、A通勤手当の不正受給があったとして、興信所を使っての6日間に及ぶ24時間監視の調査(プライバシーの侵害)と、不正受給に関する恫喝まがいの事情聴取(パワハラそのもの)が行われ、佐藤組合員は心療内科への通院を余儀なくされた。

 さらに、学生主催の「アートインライフ」で学生の質問に答えて佐藤組合員が、「ハラスメントを受け退職することになる」旨の説明を行った。すると大学側は、この説明を問題にし退職理由の説明行為は、芸工大に対する信用失墜行為であり重大な非違行為。従って「厳重な懲戒処分に値する」として、当ユニオンと合意する方向で話が進んでいた「合意案」を白紙に戻すと書面での通告を行ってきた。

 ユニオンからは202月、ハラスメントに対する「謝罪の公表」などを求める最終要求書の提出を行ったが、交渉は決裂。このためユニオンは6月、山形県労働委員会に不利益取扱と支配介入で、不当労働行為救済申立書を提出。716日には、損害賠償請求事件として山形地裁へ訴状を提出した。

 この闘争の支援組織である「東北芸工大教員へのパワハラを許さない山形県民会議」の結成大会は817日に行われ、多くの県民と東北芸術工科大学の民主的な再生を目指し、徹底的に闘っていくことを確認した。




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