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  4. 2020.10.27
 
労契法20条裁判で最高裁 立法理念とかけ離れる 
格差容認の判決   


 注目の労働契約法20条に関わる最高裁判決が10月13日と15日に出された。賃金・賞与・退職金での正規と非正規の格差を容認し、一方、諸手当で格差を是正するという、本来の立法理念からかけ離れたものであった。新社会党は次の声明を出した。

労契法20条最高裁判決に対する声明

 最高裁は13日、大阪医科大学事件のアルバイトの賞与とメトロコマース事件の契約社員二人の退職金について不十分ながらも差別を不合理とした二審判決について「正規労働者の雇用を維持し確保する制度、期待される職務内容に一定の差があるから、不合理とは言えない」としていずれも二審判決を破棄し、不支給を容認した。格差是正を進める社会的な流れを無視した不当判決であり、強く抗議する。

 その一方で15日、郵政3事件の最高裁判決は住居手当・年末年始勤務手当・扶養手当・夏期冬期体暇・有給の病気体暇・祝日休の格差が不合理とし、会社側上告はすべて棄却し、労働者側主張が取り入れられる画期的なものとなった。この成果を郵政に働く19万人の非正規労働者のみならず、2100万人に及ぶ非正規労働者全体に拡大適用させるべく闘いを強化・拡大しなくてはならない。

 しかし、基本給・賞与・退職金等の格差が大きい「本丸」について、郵政も含めて退けたことは非正規労働者の実態を無視し、「同一労働同一賃金」に逆行するものである。

 欧州では同じ業務内容ならば正規・非正規とも同じ賃金になるのが原則だ。人権の砦となるべき司法が政権と企業におもねて、抜本的な格差是正に踏み込まなければ、「格差と差別の固定化」につながるもので、到底認められない。コロナ禍で5月下旬以降、解雇・雇止めにあった労働者が7万人を超え、真っ先に屋用の調整弁として非正規労働者が犠牲になっていることも見過ごすことはできない。

 新社会党は、労働法制の改正等も含め、正規労働者と非正規労働者との格差を抜本的になくし、「同一労働同一賃金」「均衡均等待遇」「全国最賃の大幅アップと地域最賃の格差撤廃」の実現に向けて、立憲野党・全労働者・労働組合・労働団体・地域ユニオン等と連携して、闘いを強化する。




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