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一部処分取消しが確定した最高裁判決 |
東京「日の丸・君が代」裁判2次訴訟の上告審判決が9月6日あった。最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は一審原告の戒告処分の取り消しを求めた上告を棄却した。
10・23「君が代」強制通達に基づく62人の教職員の懲戒処分取り消し訴訟のうち、停職1件、減給21件については、すでに判決に先立つ上告不受理決定で東京高裁の都教委の裁量権の逸脱濫用で処分の取り消しを認めた判決が確定している。
鬼丸裁判長は次のように補足意見を付した。
卒業式における職務命令は、当該教諭の歴史観ないし世界観に由来する行動と異なる外部的行為を求められることになる面があり、個人の思想及び良心の自由についての間接的な制約となる。
その命令不服従に対する不利益処分には慎重な衡量的配慮が求められる。@従前からの表明の有無、A不服従の態様、B生徒への影響、C代替措置の有無、D処分の影響度、E処分に至った経緯などを総合的に勘案した結果、裁量権の逸脱などがあり得るとして、これらに配慮した謙抑的な対応が求められ、教育現場における状況の改善に資する。
これは、両刃の剣で、諸条件が懲戒に必要とされるが、これに該当すると判断されれば裁量の範囲が広がる懸念もある。
東京「君が代」裁判原告団、被処分者の会らは、都教委の硬直的な処分に対し反省と改善を求めたものとし(声明)、9日、最高裁判決を受けて都教委要請行動を取り組んだ。
これに先立ち5日、同条例の基づく処分取り消し訴訟上告審判決が最高裁であり、東京小中「君が代」裁判、近藤順一裁判いずれも処分無効とする上告は棄却された。
小中裁判原告の一人の根津公子さんは「不起立前後の態度が問題にされて、再発防止研修が繰り返されていることは許せない」と批判している。
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