君が代&s起立教員が懲罰研修当日、授業をしていて東京都教育委員会に懲戒処分され、その取消しを求めた訴訟で、東京地裁(古久保正人裁判長)は昨年12月19日、教員側完全勝訴判決を出した。都教委は1月6日、控訴を断念。被処分者の会の近藤徹事務局長は「判決が確定し喜ばしい」とコメントした。
福嶋常光都立福生高教諭(当時)は2005年3月の卒業式で2回目の不起立。減給10%1カ月の処分を受け、同年7月、戒告処分者と合同の「再発防止研修」を受講。だが、都教委・教職員研修センターはさらなる研修を「9月13日に課す」と一方的に通告した。
福嶋さんは「13日は5時間授業で時間割変更は不可能」と、代替日を数日挙げ研修センターに日程変更を求めたが拒否され、校長が同日の研修受講を命令。だが福嶋さんは学校に出勤し5時間、授業をした。これに対し都教委は、研修不受講で減給10%6カ月の累積加重処分を強行。福嶋さんが提訴していた。
判決は不受講を君が代&s起立同様、「個人の歴史観・世界観と無関係とは考え難い」とした上、「都教委は裁量権の範囲を超え、処分は違法」と判じた。弁護士費用等も全額都側の負担にした。
福嶋さんは司法記者クラブで「教員は生徒と一緒に教育活動をやりたくて教職に就く。自習にしたら教諭としての職務は果たせない。06年3月の3回目の不起立で累積加重の停職処分が確実となり、校長が決定した異動先で1カ月も授業ができなくなるので、早期退職に至ったが、まともな判決をやっともらえた」と、笑顔で会見した。
福嶋さんは1月9日、都教委定例会を傍聴。だが少なくとも公開の場では木村孟教育委員長以下事務局職員含め、判決の説明も謝罪もなし。支援者らは退場時、抗議の声を上げた。
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