足立区は2015年度を『子どもの貧困対策元年』と位置付けた。近藤区長は「高齢化が進む中、高齢者を支えるべき若者の力が大切である。若者が着実に社会を支えなければならない。子どもの貧困対策は高齢者対策にもつながる。小学校では対策により貧困と学力の相関関係に変化が表れている」とその意義を述べている。
15年度当初予算の子どもの貧困対策の新規・拡充事業は次のとおり。【産まれる前から支援】母子手帳交付時のアンケートにより、子どもの貧困につながる恐れのある要支援者を的確に発見する。
【虫歯検診の強化】全ての4〜6歳児に年1回の歯科検診を実施。その他【貧困の実態把握】【就学準備・そだちチューターの配置】【はじめてえほん事業】【学び支援・学力向上講師制度の再構築】【放課後の居場所支援】【スクールソーシャルワーカーの配置】など。
区は子どもの貧困対策の基本として「教育・学び」「健康・生活」「推進体制の構築」の三つを柱に立てた。15年4月担当部を置き、区長を本部長とする「子どもの貧困対策本部」と、有識者を交えた「子どもの貧困対策検討会議」を設置した。
10月、足立区子どもの貧困対策実施計画案を公表し1カ月間パブリックコメントに付し、「生き抜く力」を身につけ、貧困の連鎖に陥ることなく社会で自立していくことを目指すことなどを基本理念とした。24の指標を設定して、施策の実施状況や効果を検証し必要な見直しを図る。今年度内に実施計画を策定する予定だ。
子どもの貧困対策法の施行で、確実に子どもに届く貧困対策を行う自治体の役割は重要度を増すが、自治体の力に限界もある。「この国のかたち」改めて考える必要がある。
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