若者の未来を支える奨学金制度を考える院内集会が5月16日、衆院第一議員会館で250人超が参加して開かれた。主催したのは奨学金問題対策全国会議(共同代表=大内裕和・中京大学教授、伊東達也弁護士)と労働者福祉中央協議会(神津里季生会長)。
両団体はこの間、給付型奨学金制度の導入・拡充と義務教育負担の軽減をを求める署名活動を推進し、3月22日に首相官邸で301万筆を超える署名目録と要請書を世耕弘也官房副長官に提出している。
集会は神津中央労福協会長の開会の挨拶で始まり、文科省高等教育局の井上諭一課長の奨学金政策の現状と課題についてレクチャーの後、奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士が相談現場から見た救済制度の実情が語られた。
そこでは、実施されているといわれる制度改善は、機構のいう猶予、免除は機構の裁量とされ、現場では何ら改善されていないと現実を紹介した。
引き続き、長妻昭衆院議員(民進)、新妻秀規参院議員(公明)、田村智子参院議員(共産)、吉川元衆院議員(社民)、玉城デニー衆院議員(生活)のシンポジストに大内教授をコーディネーターで各党の奨学金政策が紹介された。
文科省が、世論の盛り上がりに奨学金制度の改善のポーズが見られるが、各党とも最低限、文教予算の拡大、奨学金の給付制の追求、貸与制度の無利子化、返還免除枠の拡大を要求した。
集約として大内さんは「2012年に愛知県で運動を始めた時にはっきりと有利子の無利子化と給付型の導入をはっきりと掲げた。その時の反応はまったくなかったが、今日は給付型導入を含めて奨学金制度の改善を言われるようになった。この間の世論の高まりを示している、それぞれの違いはあるが奨学金制度の改善は、今後の日本社会にとって重要であるという認識は大きなレベルで一致した」と語った。
|