本紙4月19日号966号で以下の四点が報道されました。
@都立高校のA男性教諭が複雑な家庭環境に置かれ、弟妹の世話でなかなか通学できない女生徒が相談してくるメールに誠実に応じて励まし続けたこと、A都教委が父親からの通報でA先生の指導を曲解し「不適切メール」と決めつけ、懲戒免職処分を行ったこと、B地裁・高裁ともA教諭が勝訴したこと、C都教委は上告しなかったこと。
●和解を拒否した都教委
地裁・高裁とも判決前に和解を提案したのですが、A教諭側が協議に応じる姿勢を示したのに都教委は拒否。敗色濃厚にも拘わらず、都教委が拒否したのは都教委に「司法に従わず独自の処分を貫く」という方針があるためと思われます。
●驚きの更なる懲戒処分
4月、「これからは授業ができる」と信じて出勤して来たA教諭を待ち受けていたのは都教委によるさらなる事情聴取でした。本来なら都教委が謝罪すべきです。
「再処分するな」と多くの抗議・要請が殺到しましたが、都教委は5月9日、裁判の主張と同じ一方的な理由で「停職6カ月」の再処分を公表しました。
●自らの不正に目をつむる都教委
都教委の相賀管理主事は、校長に都教委作成の陳述書に署名・押印を強要しました。これは校長の陳述書で明らかになっています。虚偽文書作成は犯罪的行為ではないでしょうか。都教委は知らんぷりです。女生徒は卒業後支援シェルターに避難、自立を目指して頑張っています。学校の生活指導や教育実践に無知で、処分に狂奔した都教委が引き起こした異常な事件。A教諭の闘いはこれからも続くでしょう。(東京・田畑和子)
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