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2016.06.28
全国私教連 中・高調査 経済的理由の中退は47人 
自治体間格差が拡大
 

  

 全国私立学校教職員組合連合(全国私教連=永島民男委員長)は、文科省で6月10日、記者会見し、2015年度私立高校・中学生の経済的理由による退学と学費滞納調査のまとめなどを発表した。
 それによると、15年度の1年間に経済的理由で中退した私立高校生の総数は47人(0・02%)で、人数、割合ともに調査した過去18年間で最低、昨年比でもほぼ半減している。経済的理由による市立中学校の中退生徒数は8校(回答した学校の6%) に8人おり、中退率は0・02%で、この4年間で大きな変化はない。
 これらの結果の理由として以下の点が上げられるという。
 @様々な運動の成果により国と自治体の支援制度の拡充が上げられる。低所得層への加算と奨学のための給付金を柱とする国の就学支援金制度の見直し(2014年度1年生実施から学年進行)で、私立高校の低所得層への支援が拡充され、それに加えて自治体単独の減免制度も拡充した結果、保護者負担が大きく減少したこと、A学費滞納に対する学校の対応の変化、B社会福祉協議会などの社会的な支援態勢の充実が指摘された。
 しかし、自治体間格差が一層拡大していることが問題と指摘される。今回の調査で経済的理由で中退した生徒47人のうち3分の1近い14人が退学した東京都では、補助金が授業料に限定されているため、生活保護世帯で約21万円、住民税非課税世帯で26万円、新入生だとこれに入学金(平均で約25万円)が自己負担になっていることが原因の一つとも考えられる。隣の埼玉県と比較すると、生活保護世帯で3・6倍、非課税世帯で4倍になる。
 また、私立学校の学費は授業料だけでなく施設設備費などもあり、それも大きなネックとなっている。
 居住地で学ぶ機会が平等に保障されない状況が拡大していることは大きな問題だ。


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