2017.05.09
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卒業式の不起立で処分 |
都立高校教員2人が懲戒 |
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東京都教育委員会は4月20日、3月の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかった都立高校教員2人に懲戒処分を発令した。
不起立4回目の教員には減給10分の1、1カ月、同3回目の教員には戒告。
これにより、卒業式・入学式などで「日の丸・君が代」強制した2003年の10・23通達による処分者数は延べ480人となった。
この処分は「懲戒権者の裁量権の範囲を越え、違法」として、減給以上の処分を取り消した最高裁判決および確定した下級審判決の趣旨をないがしろにした暴挙と言われる。
さらにあわせて、5月10日から始まる服務事故再発防止研修を命じられた。これは、「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題が生じる可能性がある」とした東京地裁決定(04年7月)にも反するもの。
被処分者の会、原告団は「都立高校では、今年度から“高校版の道徳”と懸念される新科目『公共』を先取りして人間と社会≠ェ導入された。生徒たちの心を縛る教育が猛威を振るい、教師たちがその実行部隊にされている。処分撤回を求めて闘う」と抗議声明を発表した。
東京再雇用拒否三次訴訟で不当判決
卒業式で「君が代」不起立で処分を受けたことにより、退職時に再雇用を拒否するのは理不尽として提訴していた裁判で、東京高裁(永野厚郎裁判長)は4月26日、東京地裁判決を踏襲し、再雇用について東京都の広範な裁量を認め、原告の控訴を棄却した。
判決は「わいせつ、体罰、公金横領」などの重い処分でも採用されている事実を認めつつ、職務命令違反は重大な非違行為という都の言い分を容認した。
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