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2017.08.01
高校無償化朝鮮学校除外 
広島地裁不当判決「除外は適法」



 広島朝鮮高級学校(広島市東区)の運営法人と同校の卒業生ら109人が、国が高校授業料無償化の対象から朝鮮学校を除外したのは憲法の保障する教育を受ける権利を侵害し、法の下の平等にも反するとして、国に除外の取り消しや総額約5600万円の損害賠償を求めた裁判の判決が7月19日、広島地裁であり、小西洋裁判長は「除外は適法」として訴えを退けた。原告側は控訴した。
 高校無償化除外に対する裁判は、大阪、東京、名古屋、福岡の各地裁でも係争中で、広島が初の判決だった。
 高校無償化は民主党政権下で2010年に始まり、外国人学校などは文部科学相の指定を受ける必要がある。運営法人は同年11 月に指定を申請したが、認められなかった。安倍政権になって13年2月には不指定通知を出し、運営法人が指定を受ける根拠となる規定を削除した。
 判決は「運営法人は朝鮮総連や北朝鮮との密接な関係が疑われ、支援金が流用される恐れがある」との国側の主張について、「根拠となる事実が証拠上認められる」とした。
 原告と弁護団は判決後に記者会見し、広島朝鮮高級学校の金英雄校長は、「不当判決に怒りで声が出ない。国の政治情勢とは関係なく正当な判決を出すべきだ」と述べた。また、弁護団の足立修一弁護士は、「判決は国の主張の丸写しで、日本の学校と朝鮮学校との間に明確な差別が存在している。原告の思いをどうすれば裁判所に理解してもらえるのか真剣に考えていきたい」と話した。 (広島発)