2018.07.10
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食生活と育児 |
食事残すのは悪いことか? |
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自分を大切にする食べ方(上)【もったいない編】

「食べすぎない」
何も考えずに無茶苦茶に食べていた時代から、「無農薬」など、『何を食べるか』にこだわりまくっていた私。今は「自分の心と体を大事にしたい」という気持ちが強くなってきました。自分の体を大事にする食べ方≠ニは、一体どんな食べ方なのでしょう。
インド医学では、胃腸の消化力が「生命力そのもの」だとされているので、「食べ過ぎないこと」が、大変重要とされているようです。
本来、人間が生きていくためには、「水」と「空気」と、「少しの食物」で足りるはず。それなのに私を含め多くの人は、様々な目的のために、体が必要とする量以上に食べ過ぎている気がします。
食べる理由ってたくさんあります。暇で口寂しいから食べ続ける。健康のために。栄養のために。付き合いで。時間がきたから食べる。ストレス発散のため。など様々な理由で、私たちは必要以上に食べてしまっています。
その結果、過食・飽食になり、胃腸に負担がかかり、体の不調をつくっているのだと感じます。
私の場合、「残すのはもったいないから」「つくってくれた人に申し訳ないから」という理由で、無理して食べていることが多いように感じます。
先日、台湾料理店で台湾人オーナーから、そのヒントになるようなお話を聞きました。「台湾人は日本人と全く違う食習慣を持っている。日本人は残しちゃダメ、と教えられる。台湾人は、残すことについて誰一人責めたりしない」と言うのです。
私はびっくりしました。家でも学校でも、「出されたものは残さず全部食べなさい」という教育を受けてきたのが私たちの時代。ごはんを残すことは「悪い」こと。全部食べた子は「偉かったね!」と褒められ、残した子には「戦争中は……。貧しい国では……」との説教が始まる。
胃腸は「ゴミ箱」
そんな価値観のなかで育った私たちの世代は、大人になってもなお、すでに満腹になっているのにもかかわらず、頑張って皿をからっぽにしようとしています(もう誰にも褒めてもらえないのに!)。
「なぜそんな習慣なのですか?」と聞くと、オーナーは「台湾人は自分たちの胃腸をとても大切にしているからだよ。日本の屋台やレストランと違って、台湾のお店では一皿の中身が少ない。屋台でも餃子1個いくら、という売り方で、自分の欲しいだけの分を少しずついろんな店で買って食べる」と教えてくれました。
すごい! それなら、食べ残しもほとんど出ないはずです。
そういえば、子どもたちって、満腹になると「もうい?らない」と御飯を残して、さっさと遊びに行ってしまうのですよね。それを、「最後まで食べなさい! もったいない!」とぶつぶつ言いながら苦しくても食べてあげるのが、私と夫。
でもよくよく考えると、自然界の動物は、自分の体に必要な分しか獲物を狩らないし、必要な量を食べたら終わり。残り物は、お腹を減らした他の動物が食べたりする。必要なときに、必要な分だけを食べる。実はそれが動物にとって、それは人間も例外ではなく、本来の自然な姿なのかもしれない。子どもの方がまだ自然に近いので、それを体で知っているのかもしれないですね。
残してあるものを、「棄てるなんて、もったいない!」といいながら無理やり食べるのは、自分の胃腸をまるで「ゴミ箱」のように扱っているのと同じなのかもしれません。自分の胃腸はもう食べ物を欲していないのに、どんどん口に放り込む行為は、とても自分の体を大事にしているとは言えない気がします。
では、残す量を少なくするため、食材を無駄に捨てないための工夫をすればいい。「買いすぎないこと」「作りすぎないこと」です。外食ならば「注文しすぎないこと」。あとしっかりお腹を空かせてから食事をする、というのもいいですよね。
時間になったら食べる、のではなくお腹が減ったら食べる。1日3食も、お腹いっぱい食べる必要なんてない気がします。
ゴミを減らして環境という自然を守ろうとするのも大切です。でも、「自然の一部」である自分の体を大切にしながら生きたいと思います。
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