2018.07.17
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食生活と育児 |
心の状態が食欲に影響を与える |
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自分を大切にする食べ方(下)【食とこころ編】
「過食していること」
前回は、捨てるのがもったいないから、食べたくないのに食べているという記事を書きました。そして、おそらくそれ以上に、過食の要因としてもうひとつ。人は「こころ」が弱っているときに、過食していることがあると思うのです。
よく、「「失恋してやけ食いをする」「イヤなことがあったらバイキングへ行く」「イライラしたらスイーツを食べる」というように、人は心が弱っているとき食べようとします。
人がイライラしているとき、交感神経が非常に優位になっています。体は本能的に神経バランスを取り戻すために、「食べる」という行為で副交感神経を働かせようとするのだそうです。逆に、思い悩み過ぎると、食欲が無くなり食べ物を受け付けなくなることもあります。
そんなときに、無理に食べても体はちゃんと食物を吸収できません。心の状態が食欲≠ノ影響を与えているのですね。
私は子どもを産んでから、こういった食べ方が増えていったように感じます。睡眠不足で、眠りたくても眠れない。子どもが言うことを聞かなくてイラッとする。逃げることができない密室育児の中で、イライラを手っ取り早く解消する方法として、「食べる」という行為に走っていました。
ストレスを感じると、とにかく何かを食べて心を落ち着かせていたような気がします。イライラは、「自分の思い通りにならなかったとき」に感じます。子育てなんて、本当に自分の思い通りにならないことの連続です。
夫婦関係もそうです。上司との関係、後輩との関係でも、自分の思い通りならないことだらけの毎日のなかで食べて忘れようとしている≠アとが多々あるのではないでしょうか。
ストレスを感じるたびに食べ過ぎていれば、胃腸は確実に弱っていくでしょう。食べることで、一瞬すっきりしたような気持ちになりますが、本当の意味で問題は何も解決していません。
その時に感じている怒りや不安や、悲しみなどの感情と向き合うことは、とても勇気がいることです。でも、「今、私は本当に食べたいのかな」と立ち止まって、心と向き合うことから逃げずに乗り越えていく必要があるのだと思っています。
「心に受けたダメージは食行動のゆがみを作る」という、精神科医の書いた記事を読んだことがあります。心にダメージを受けた若者は、食事への向き合い方に偏りがあるということでした。
心の満足が大事だ
食べること≠極端に嫌悪し、人と一緒に食べることが苦痛で、自室にこもって食事をする子が多いとのことでした。
そのきっかけを探っていくと、「両親が忙しくずっと独りで食事をしていた」「家族で食事をしていても嫁と姑が喧嘩していた」「皆が家長であるおじいさんに気を遣っていた」「いつも食べ方を注意されていた」というように、食事時間が楽しいものではなかったと語る若者が多いそうです。
現代は家族の食事時間もバラバラで孤食が増えています。私も独りで食事をする時、テレビを見ながら、本を見ながら、スマホを見ながらの「ながら食べ」を無意識にしてしまっていることがよくあります。
独りで食べても、全然楽しくないのですね。寂しいのですよね。これではどんな良いものも、良い想いで作ってもらったものであっても、きちんと吸収されないのかもしれないなぁと思います。
大切なのは、「何を食べるか」ではなく、「誰とどんな気持ちで食べるか」なのかもしれません。 気の置けない仲間との楽しく心満たされながら食べるなら、例えインスタントラーメンであっても楽しいから、健やかな心を作るのかもしれません。そして穏やかな心は、健やかな体を作っていくのでしょうね。きっと心の満足が大事なのですね。
これからは「今日は、誰と何を食べようかな?」と食べる時間≠楽しみにして、「一緒に食べると美味しいね!」という気持ちで食べたいです(食事中に子どもたちに小言を言うのはもうやめます)。
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