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子どもをテストで追い詰めるな |
維新政治による大阪の公教育破壊 《中》 |
市民の会 志水 博子 |
大阪維新の教育政策を捉える時、忘れてならないのは安倍政権との連携ぶりである。2012年2月、大阪で行われた「教育再生民間タウンミーティングin大阪」で、安倍晋三衆議院議員(当時)と大阪維新の会の松井一郎大阪府知事(当時)は意気投合する。司会を務めたのは、主催者である日本教育再生機構の八木秀次理事長であった。
2006年第一次安倍政権下において教育基本法改悪。2007年には、43年振りに「全国学力・学習状況調査」、いわゆる全国学力テストを復活させる。大阪では、2008年橋下府政が始まり、2011年には「君が代」条例を制定し、翌2012年3月には新自由主義教育施策をベースにした教育諸条例を制定する。一方、安倍内閣が敷いた全国学力テスト体制教育は橋下大阪市長(当時)のリードによって市町村別公表、学校別公開にまで進んでいく。こうして競争と自己責任の学テ体制教育は安倍自民と維新の連携によって進んでいった。
そして、大阪では全国学力テストに焦点を合わせた「チャレンジテスト」教育体制下が着々と作られていく。そもそも中3チャレンジテストは、文科省が全国学力テストの内申への利用を認めなかったことから始まった。一見、大阪維新と文科省は対立しているように見えるが、同じ行政調査を目的とするチャレンジテストの内申利用については文科省は黙認している。
今回、大阪府教育庁はチャレンジテストに対する市民からの批判の声により何らかの「改正」を示さざるを得なくなったわけであるが、変更案は巧みである。わかりやすくしたとの大義名分をかざして、なんと1年から「団体戦」方式、つまり学校・地域を評価し、高校入試内申に反映させることとした。“格差”はあって“当たり前”を自明とした公教育が行政によって打ち出されたわけだ。
このまま行けば全国にも波及しかねない。私たちはこれを認めるわけにはいかない。
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