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朝鮮学校生らが訴え 〜幼保無償化でも差別〜 |
無償化外し許さない |
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茨城県水戸駅で朝鮮学校およびその支援者の仲間が11月8日集まり、朝鮮学校無償化除外の抗議のチラシ配布と署名活動が50名の仲間で行われた。16時30分から1時間の中で250筆の署名が集まった。街頭でマイクを握った茨城朝鮮学校高級部3年白庸哲(ペク・ヨンチョル)さんのスピーチを掲載する。
朝鮮高級学校10校だけを「高校無償化制度」から除外してはや8年が経過しました。 高校授業料無償化は、民主党政権だった2010年4月から導入され、当初は朝鮮学校もその対象となっていました。しかし自民・公明連立政権に交代後、12年12月、当時の下村博文文部科学大臣は朝鮮学校を無償化の対象としない方針を表明。それを受けて翌年に文科省が省令を改正し、朝鮮学校は対象から除外されることになりました。
なぜ除外されたのか。下村文科大臣は12年12月の記者会見で、「拉致問題の進展がないこと」や朝鮮総連と「密接な関係」を理由として挙げ、現時点で無償化を適用することは国民の理解を得られないと語りました。
そのうえで「都道府県知事の認可を受け、学校教育法第1条に定める日本の高校となるか、または北朝鮮との国交が回復すれば」適用の対象になると述べました。
つまり、日本と朝鮮との関係が緊張している状況では、朝鮮との関連が深い学校の授業料を無償のままにはしておけない、ということです。そしてその頃、朝鮮学校の授業内容についても「金正日(キム・ジョンイル)総書記(当時)を礼賛し、主体(チュチェ)思想を教え込んでいる」「日本語はいっさい禁止」などとその“異様さ”を取り上げる情報が、裏付けもないまま、さかんに拡散されました。
そのような中で、私たち朝鮮学校関係者達は、無償化対象からの除外という措置に対して、全国で5つの朝鮮学校の学校法人や元生徒が「無償化の対象外にするのは不当」と訴え、国を相手取って裁判を起こしました。
判決は各地方裁判所で分かれましたが、17年7月、大阪地裁では「教育の機会均等の確保をうたった無償化法の趣旨に反している」との判断で、原告側が勝訴。地裁は国に処分を取り消し、無償化の義務を果たすよう命じました。
ところが、その後の各地での高裁判決では、国の処分は違法ではないとの判断から、原告敗訴の結果が続き、終いには、8月27、28日、朝鮮高校の高校無償化適用除外について、最高裁は東京、大阪朝鮮高校の上告を棄却し判決が「確定」しました。実質的な審理もせずに門前払い。この不当判決によって最高裁は法理を破壊し、人権救済の役割を自ら放棄しました。
政治的判断や外交上の問題ではなく、教育上の観点から客観的に判断し、「すべての意志ある高校生」が対象であるとしながら、なんとむごいことをするのでしょうか。この決定は、「三権分立」の目的に反する、政府に対する「忖度」そのものであります。
幼保無償化からも排除
そして日本政府はさらに、10月からスタートした幼保無償化において、朝鮮幼稚園・保育園を適用除外しようとしています。またしても、日本は朝鮮差別を露骨に示し、恥の上塗りをしようとしています。
制度の対象には、認可施設である幼稚園、保育園、認定こども園に限定されず、広く認可外の施設も含まれているにも関わらず、全体の約0・16%に過ぎない各種学校認可の外国人学校の施設についてのみ制度の適用外としたことは、意図的な排除といわざるを得ません。
私たちは、高校無償化制度からの朝鮮学校除外を是正した最高裁判決及び幼保無償化からの朝鮮幼稚園・保育園排除をしようとする日本政府を、断じて許すことはできません。
日本政府を糾弾するとともに、差別を許さない声を結集し、当たり前の権利獲得のためのたたかいをこれからも広げていきます。
ご通行の日本の皆様。お力添えいただければ幸いです。まずは、私たちの存在を知ってもらうことだけでも十分です。一人でも多くの日本の方々のご理解、ご協力が、私たちの力になります。どうぞよろしくお願いします。
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