トップ週刊新社会教育2020.03.03
県に11回目の要請 〜朝鮮学校の子供の人権を守る会 茨城〜
補助金を再開して 

 朝鮮学校の子供たちの人権を守る会・茨城など4団体は2月5日、茨城県庁で朝鮮学校への補助金再開の要請を行った。今回は昨年の12月23日に大井川和彦知事に提出した「補助金停止問題についての質問書」に対する回答と、それに対するやり取りが行われた。

 補助金停止は、朝鮮学校生徒児童ら関係者に多大な損害と精神的苦痛を強いているなどの指摘・質問に対する県の回答は、文科相通知の趣旨を踏まえ、北朝鮮により日本の安全を脅かす行為が続いていることなどを県として総合的に判断し、休止を決定したなどとするもので従来の回答の繰り返しだった。

 そのため要請行動では、「10回にわたる要請行動に対して誠意ある回答がない」「県が率先して、妨害している」「オウムのように同じことの繰り返し」と抗議の声が上がった。

 そして、茨城朝鮮学校高級部2年のキン・チャンスさんは要旨次のように発言した。

 今年で朝鮮学校に対する補助金が停止され4年が経ちます。私はこの事実に対し、私自身がそして私たちの民族教育が否定されているようで、とても悲しく同時にとても腹立たしく思っています。

 今回の要請活動に伴い茨城県について調べました。茨城県が発表した「茨城県総合計画〜新しい茨城への挑戦〜」のなかで、「活力があり、県民が日本一幸せな県」を目指し、4つのチャレンジを行うことを掲げています。

 その中の一つ「新しい人材育成へのチャレンジ」の項目に人権を尊重し、多様性を認め合う社会を目指すと書かれていました。

 多様性を受け入れ、認め合うこと。一人ひとりは尊重される社会を作ること。どういうことでしょうか。理解できないもの、邪魔だと思うものを排除することは多様性を認めることでしょうか?弱いものをいじめることは一人ひとりを尊重することでしょうか?

 なぜ私たちを知ろうともせず、一方的に排除しようとするのでしょうか。10回にわたる要請行動においても、一度も誠意ある対応をしていないのはなぜですか?私たちの集めた署名はより良い社会を作るための大切な意見ではないのですか?私たちの声に、私たちを支援してくださる人たちの声に耳を傾けてください。学校に来て私たちの姿を見て、話を聞いて判断して下さい。いつでもお待ちしています。