新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 経済
  4. 2014.10.28
2014.10.28

現代のアヘン戦争(上)
成立を急ぐ推進議連


 人生を狂わせ、無数の悲劇を生んできた賭博に道を開くカジノ解禁法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案=IR法案)を成立させる動きが強まっている。
 超党派の「国際観光産業振興議員連盟」は10月16日の総会で、カジノ利用に伴う日本人への悪影響を防ぐためとして、「入場に関して必要な措置を講じる」ことを政府に求める修正案を決め、「一気呵成に成立をめざす」(議連会長の細田博之元自民党幹事長)方針を確認した。
 修正案は、カジノに入場できるのは日本に観光に来た外国人とし、日本人の入場を規制する制度にというもの。毎日新聞の世論調査(10月18、19日実施)で反対62%(賛成31%)、朝日新聞の調査(10月4、5日)でも反対59%(賛成30%)と、反対が賛成を圧倒する状況に、「まず導入ありき」で成立を図る意図がありありで、労働者派遣法のように「小さく産んで大きく育てる」魂胆だ。
 IR法案は、「カジノ施設の収益が社会に還元されること」などを掲げ、具体的な制度設計は政府に委ねるとしており、解禁法が施行されれば政府は1年をめどに実施法案の提出を義務付けられる。推進派は、「東京五輪までに開業するには、今国会での成立がベスト」と成立を急ぐ。
 菅義偉官房長官は10月3日の記者会見で、「今国会で成立させるべく全力で取り組んでいる」と述べているが、法案の成立を見込んで7月、政府は内閣官房に関係省庁から成るチームを設置して検討に入っている。
 カジノ解禁の動きは、1999年に石原慎太郎都知事(当時)が「お台場へのカジノ誘致」をぶち上げたことで一気に加速したとされるが、沖縄では20年前から動きがあった(糸数慶子参院議員)。
 糸数議員は、日弁連が10月8日に開いた院内集会で「沖縄では1972年の本土復帰の際、一国二制度で沖縄にカジノ入れたいという自民党議員がいて動いた経緯がある。しかし、教育的な観点からも絶対に許してはならないと学校の先生方が中心になって大きな運動を起こしたおかげでカジノという言葉が消えた。今度の知事選は基地問題と同時に現職の知事がずっとカジノを入れたいと言っており、そのことも大きな争点になっていく」と報告した。



 カジノ解禁がいかに社会に害毒を流すか、検証します。

 ↑上にもどる
一覧へ
トップへ