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2015.09.22

不都合な真実 ふたつの白書


 昨年度、日本の実質国内総生産(GDP)は前年度比0・9%減で、リーマン・ショック以来のマイナス成長だったのに、上場企業の経常利益は増加した。
 日経新聞は「日本企業にとって本年3月期は歴史的な一年になった。日本経済は1955年度以降に7回、マイナス成長に陥った。その年に企業収益が増えるのは今回が初めて」と驚きを隠さない。
 また「4〜6月期は企業業績が好調だったのにGDPはマイナスに陥った。GDPと企業収益が連動しないのは、企業が海外で稼いだ利益が国内の投資や賃金に回っていないためだ」と、いささか糾弾口調で伝えた。
 本年の『通商白書』は昨年の「貿易収支は過去最大の赤字」&「所得収支は過去最大の黒字」現象について、「このような経常収支構造の変化は、わが国の対外的な稼ぎ方の3つの側面である『輸出する力』『呼び込む力』『外で稼ぐ力』のありようの変化を示唆している可能性」と、まわりくどくも指摘せざるを得なかった。
 他方、安倍政権のちょうちん持ちに徹する『経済財政白書』のほうは副題を「四半世紀ぶりの成果と再生する日本経済」とし「三本の矢の一体的推進により、デフレ脱却・経済再生と財政健全化の双方を進めてきた下で、マクロ経済環境が大きく転換し、企業や家計のマインドが大きく変化した」と大本営発表。マイナス成長と「バブル期以来25年ぶりの成果」?が同居しうるというのだ。
 日本の大企業は国を捨て、海外でもっぱら稼いでいます、とは安倍官邸は決して言わない。それを知ったら安倍を支持する国粋主義者たちが黙ってないかも?(影)


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