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  4. 2019.04.30
高騰する住宅費
怒れる欧州
 フランスでは「黄色いベスト」運動が続いている。隣のドイツでは家賃の高騰で賃借人の怒りがついに頂点に達した。

 4月6日、ベルリンでは万という老若男女が「住むことは基本権だ!」「狂乱家賃と追い出しに力を合わせて反対しよう!」との横断幕を掲げ「払える家賃を!」とシュプレヒコールを繰り返しながらデモを行った(主催者発表4万人)。

 同時に、前代未聞ともいうべき、「大規模賃貸住宅コンツェルンの没収」の是非を問う住民投票のための署名運動が開始された。3千戸以上の賃貸住宅を所有するコンツェルンを、市が強制的に有償没収しろという要求である。

 同様なデモはこの日、ミュンヒェン、ケルン、ハンブルク、フランクフルト等の全国18都市でも行われた。

 家賃高騰の理由はいろいろある。地価が高騰したこと、建築基準の改訂により建設費が高騰したことが表向きの理由。

 本当のところは、低家賃の公営住宅が民営化で激減したこと、住宅が投機の場と化し、資本が流入し、住宅の改築・修築によって家賃の引上げや追い立てをしていること、賃借人を守る法律はあるにはあるが機能していないことが原因である。

 このデモにあわてたのがメルケル首相のキリスト教民主・社会同盟。メルケル与党及び連立を組む社会民主党は、没収ではなく家賃高騰の阻止と公共住宅の建設を主張。左翼党や緑の党は運動への理解と支持を表明した。

 こうしたデモは、パリ、マドリッド(スペイン)、リスボン(ポルトガル)その他の都市でも計画されており、欧州全体に拡大しそうだ。

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