子どもの貧困については我らの『データブック』においても毎年一章を割いて紹介し続けているが、このたび2016年の東京都と、18年世田谷区の調査報告書の存在を、社民党世田谷区議の桜井純子氏の「せたがやレポート」で知り得た。
調査を受託したのはいずれも首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターであり、阿部彩教授も関わっていると思われる。ここでは世田谷区の報告書(全部で274頁)から拾ってみる。
対象は小学5年生と中学2年生の子ども本人と保護者のしっ皆調査であり、有効回答率は42・9%である。「生活困難層」は小学5年生で11・7%、中学2年生で13・9%であった。ここでの「生活困難層」の指標は受託者の開発によるもので、「低所得」「家計の逼ひっぱく迫」「子どもの体験や所有物の欠如」のひとつ以上該当世帯を指す。
桜井区議は「世田谷の子どもは裕福なのかという問いには、生活困窮の中で暮らしている子どもも少なくない≠ニいう答えになるのではないだろうか」という。世田谷区の居住者には富裕層が多いというのが事実であれば、それだけ子どもの経済格差は大きいと見られる。
もう一つ紹介したいのは「目黒・世田谷メーリングリスト」で有益な発信を続ける早川芳夫氏による情報だ。「一日の生活費677円。大学生の仕送りが過去最低に。28年前より1783円もダウン」(フジテレビ)。「2018年の時点で6歳から14歳までの外国籍の子ども、およそ12万人のうち、およそ8400人が小中学校に通えていない不就学のおそれがある」(NHK)というものだ。
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