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  4. 2019.10.22
米中部分合意
トランプ貿易戦争
 
 10月11 日、2カ月半ぶりの米中閣僚級協議が開催され、農産品や為替などの分野で部分的合意をみた。15日に予定されていた中国製品への関税引き上げはとりあえず回避された。しかし、昨年7月に始まった米中経済戦争の終わりはまだ見えない。

 米国は昨年、3次にわたり合計2500億ドル分の中国製品に25%の追加関税を課した。そして本年9月1日からはさらに1100億ドル分に15%の追加関税を発動した(第4弾)。第4弾のうちの、残り1600億ドル分についてはクリスマス商戦に配慮して12月15日に発動する構えだ。そして、今月15日からは1?3弾の関税率を25%から30%に引き上げるとしていた。

 第4弾発動済みの対象品目には生活に身近な消費財が多数含まれている。さらに12月発動予定の品目にはスマートフォンやノートパソコンなど、より対中依存度の高い製品も含まれる。

 中国も反撃するがすでに米国製品の大部分に追加関税を課しており、効果は乏しくなっている。ゆえに中国政府は中国特産のレアアースの輸出制限をちらつかせ始めていた。対して米国は8月に中国を「為替操作国」に指定していた。 

 すっかり有名になった昨年10月のペンス副大統領演説がトランプ政権の意図を真正直に表明したとおり、米国の狙いは中国の台頭を封じ込め、あわよくば(ソ連が崩壊したように)政権の転覆を図ることにある。

 『世界経済の潮流2019年T』(内閣府)は米国と中国が関税を課し合う輸入品の付加価値の1〜3割が、日本を含む第3国によるものと試算している。他人事でない。

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