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  4. 2020.05.26
コロナ恐慌襲来
百年前の教訓
 
 3月以降、個人消費が急速に縮小。4月の年度替わりをはさんで稼ぎ時の飲食店では、歓送迎会等の予約キャンセルが相次ぎ、来店者も急減。これより先、観光客の激減は各地の観光業や運輸業を直撃。しかしこれらは氷山の一角で、国内外の供給網は毀損し製造業・金融機関を始め、あらゆる産業を席巻している。

 野村総研の木内登英氏は5月7日時点で次のように予測。「4月から9月までの半年で消費は47兆円減少。その場合、企業の生産額(売上高)は生産誘発係数1・5を乗じた70兆円減少する」。

 また同氏は13日には「5月半ばから緊急事態宣言が8都道府県に縮小された場合、5月の個人消費は先の試算より多少増える。しかし8都道府県の所得は日本のほぼ半分を占めるので大差ない」「また解除された府県でも回復は半分程度」と仮定している。

 ただ木内氏は新型コロナの世界的再流行については想定していないが、その兆候は既に世界各国で見られる。また日本の海外子会社への言及もない。

 速水融氏は百年前に『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』(2006年)で、日本での2波にわたる流行の様子を当時の各地新聞を収集し、克明に記録している。

 そこでは人口の多い都市の中でも人が集中しやすい港湾、鉄道、学校、工場、宿舎、兵舎、艦船そして病院で被害が大きかったとある。とくに12月1日に入隊した、抗体の無い新兵の多くがたちまち感染したことに留意すべきだ。今後、大都市圏に地方から新入社員や新入生らが集まり始めるとすると彼ら・彼女らにはとくに手厚い予防医療が必要だ。

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