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2012.1.24
対イラン制裁措置の目的
米のライバル経済大国落とし 


 対イラン金融制裁措置が始まろうとしている。ガイトナー米財務長官は訪欧に続いて10日訪中、12日に来日した。安住財務相との会談で日本政府はイラン産原油輸入量を段階的に削減させると合意したが、イラン中央銀行との取引禁止には制裁条項発動除外の「特例」を求めた。昨年末に米で発効した制裁法によれば、決済などでイラン中銀と取引関係のある外国銀行は米国内で金融業務ができなくなる。中国政府は米政府への同調には反対、対抗の準備を進めている。欧州でも「イラン産原油制裁は損害を与える」という世論が強く、イタリアでは「リビア産石油供給が減り、さらに現制裁が実施されれば精製所は閉鎖になる」と報道されている。

 数年前から米政府は「イランが核兵器を獲得しようとしている」との理由で「次の計画は対イラン戦争だ」としており、軍事行動を準備、オマーンとアラブ首長国連邦にある米ミサイルの攻撃態勢、サウジアラビアの戦闘機強化、クウェートへ米軍1万5千人の新たな派遣、同盟諸国の戦艦の中東展開などで同国を包囲するように緊張をあおっている。

 一方、イラン軍当局は15日、最近の地域軍事情勢を「心理戦の枠内での動き」で「地域に何の影響もない」と強調した。イラン海軍は12月24日から1月3日まで10日間、ホルムズ海峡からオマーン海域に至る水域で「ヴェラーヤト90」演習を行い、脅迫への対抗姿勢を示した。米・NATO軍の軍事力とは比較にならないほど小さいが、イラン海軍は「戦略的に重要なホルムズ海峡を完全に制御する能力が立証された」と発表した。

 同海峡の一番狭いところは54キロ、米軍管理下にイラン高速艇も展開、冷戦状態にある。


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