国連安保理決議1996号の「国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)」の平和維持活動参加の陸上自衛隊先遣隊が15日、現地に到着した。3月下旬までに施設部隊210人が派遣される予定だ。昨年10月時点で59か国、約5千人が参加、国連は約8千人の部隊派遣を予定、平和の定着・紛争予防、治安確保、司法部門強化と法の支配の確立を目的に挙げている。
南スーダンは昨年7月に独立、人口1千万人弱、識字率27%、貧困な国でありながら天然資源は豊かだ。白ナイル川のもたらす豊かな農耕地、水力発電潜在力、金・銀・銅鉱山、ダイアモンド、石油、チーク材、石灰、鉄鉱石、亜鉛、クロム鉱、タングステン、雲母など多様だ。地政的には北にスーダン、東にエチオピア、南東にケニア・ウガンダ、南西にコンゴ、西に中央アフリカと国境を接し、アフリカ大陸の中心部に位置している。2回の内戦を経た独立だったが、20年間に190万人以上の犠牲者を出し、第二次大戦後の最大紛争の一つであった。米国はスーダンをテロ支援国家に指定、89年、ハルツームの薬品工場をミサイル攻撃、制裁を課してきた。西部では03年からダルフール紛争も起きた。
一方、中国は90年代以降、治安悪化の下でスーダンにインフラ投資を進め、南スーダンとも良好な関係だ。現在、スーダン産石油の60%を輸入、南スーダンからの輸入も全輸入量の5%を占める。前者には昨年7月に中国が財政支援した友好病院が開業、後者には10月、農業・教育・医療・水利開発に2億人民元を寄贈した。
スーダン両国間で石油収入分割問題が未解決の中、多国籍企業は国連平和維持活動の下で資源獲得競争に入ろうとしている。
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