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2012.3.13
ロシア大統領選
プーチン氏の勝利

 
 3月4日投票のロシア大統領選で与党「統一ロシア」を率いるプーチン首相が6割以上の得票率で当選した。任期は6年(08年憲法改正で4年から延長された)で、現体制が2018年まで続くことになる。
 2位には最大野党・ロシア連邦共産党のジュガーノフ委員長が17.14%を得票した。ジュガーノフ氏は83年に旧ソ連共産党中央委員会委員になり、ゴルバチョフ政権のグラースノスチ・ペレストロイカ、自由化路線を批判し、96年、00年、08年の大統領選に出馬、エリツィン、プーチン、メドベージェフに敗退してきている。天然資源生産部門の国営化と並んで農業・防衛産業の国営化、WTOから距離を置くなど経済政策で社会主義の道への復帰を訴えている。 

 勝利したプーチン氏は「選挙戦で外国の干渉を許さなかった」ことを強調して支持者に感謝したが、一方で昨年12月の下院選挙で与党は支持率を49%と下げ、以来、大規模な「反プーチン」デモが都市部で起きており、今回の得票率も04年大統領選挙の71%に及ばないなど支持率を落とした。

 90年代のソ連消滅後の急進改革のため国民総生産(GDP)は急落し、国民は「野蛮の90年代」を強いられたが、00年代の石油価格の高騰で、プーチン政権は社会の安定をある程度実現し、年金生活者や軍関係者・公務員の支持を得てきた。また主要経済分野の国家統制も進められた。しかし、新自由主義的政策を継続する限り、有権者の不満である格差、不正、政権の腐敗を克服することはできない。

 与党「統一ロシア」とプーチン政権に対抗できる政党は旧ソ連共産党の流れを引き継ぐ各「共産党」であるが、分裂状態で政権に到達していない。


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