3・11の1周年は、世界でフクシマ追悼と脱原発の声になった。フランスではドイツ国境付近のフェッセンハイム発電所(仏でもっとも古い)の閉鎖を求める住民が集会を開き、スペインでは日本大使館前で人間の鎖が作られ、脱原発と被災者連帯が示された。ポーランドでは同国初めての原発の建設を政府が許可したことに市民が抗議活動を行った。豪シドニーでは市民団体が核の鎖を断ち切ろうと訴え、ウラン採掘反対の集会を開いた。台湾ではタイペイ、タイチュンなど全国で1万人が脱原発と第4基目の原発建設反対を訴える市民のデモが行われた。米CNNは「冷温停止は恒常的脅威」として用語「冷温停止」は全く不適切と報じ、新たな地震や外的要因による配管損傷・高濃度汚染水の漏れの可能性に警戒心を呼び起こした。
その一方、原発に関する政府・企業の情報操作(隠ぺい)、買収行為、技術上の不誠実性が露呈され、CBSニュースは「日本では通常の政府機能は完璧に崩壊した」、ウォール・ストリート・ジャーナルは「日本の核施設がテロ攻撃に脆弱なことが明白になった」と報じ、ニューヨーク・タイムス紙は「(政府当局は)日本国民ばかりか、米国など同盟国にも正確な情報分析を伝えなかった」と当局間の信頼感欠如を指摘した。
フクシマは世界的規模の汚染を引き起こした。風と海流により、放出された放射能の3/4は海洋に降下したと推測されている。放射性廃棄物貯蔵の長期的安全策は陸上にもない。原子力産業は核開発と並行し、軍事と連結している。自然環境と人類の安全を保障しない。「一年後のフクシマ」は世界の市民に「地球のジェノサイド」「戦争なき核戦争」を警告した。
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