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2012. 4. 24
米政治力低下の中、資本は貪欲
第6回米州首脳会議


 第回米州首脳会議が
月14−15日、コロンビアの国際観光都市カルタヘナで開かれた。30か国の首脳が出席したが、最終宣言は採択されず、英国と紛争中のフォークランド(マルビナス)諸島について地域レベルのコンセンサス不在の会議にアルゼンチンの大統領は閉会式を待たずに帰国した。

 もともと開催前に米政権がキューバの出席を拒否したことから、米主導の地域統合を目指す首脳会議は「これが最後になる」(ボリビア外相)と予測されていた。エクアドル・ニカラグア・ベネズエラの大統領は出席せず、主催国のサントス大統領も開会演説で「米国による対キューバ封鎖政策は冷戦時代の時代錯誤であり、今日の世界では正当化できない」とあいさつした。

 会議は真剣な議題に取り組んだが、米シークレット・サービス要員十数人が準備滞在の期間中に大量飲酒と買春行為で、会議直前に米国に帰国を命じられるなど米政府の主催国に対する非礼さも報じられた。

 会議にはウォ−ルマート社、ペプシコ社、エクソン・モービル社など米企業を含む六百超の企業の経営責任者が出席し、オバマ大統領も「エネルギーと教育分野での地域協力」を演説した。ブラジル・チリ・ペルーはすでに貿易相手国として中国が米国を抜いて第位、アルゼンチン・コロンビアでは第位についている。西半球の国々に対して米国は経済面で影響力を失いつつあり、さらにキューバ排除とアルゼンチン領土主権などの政治問題で孤立している。

 しかし、クリントン政権時代から開催されてきた米州首脳会議でその都度、北米とラテンアメリカ・カリブ諸国との溝が拡大する中にあっても米資本は市場としての期待を高めている。


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