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2012. 5. 29
NATO史上最大のサミット
欧州を越える再編成

 
 キャンプ・デービッドでのG8サミット(5月18〜19日)に続いて、NATO首脳会議がシカゴで20〜21日と開かれた。加盟28カ国の首脳、国際機関の代表・関係者1万8000人、経済効果は推定1億2300万ドル、NATO史上最大の会議となった。

 シカゴ警察は抗議デモに備えて他州から応援を依頼、ボーイング社は社員に自宅勤務を命じ、銀行や法律事務所ではデモ隊を刺激しないよう、スーツでなくカジュアルな服装で出社するよう通達が出された。エマニュエル市長はこれを機会に市内に監視カメラ設置、デモ制限(スローガンの登録・百万ドル相当の保険証券購入後に許可)の恒久化を図るつもりだ。


 NATOは冷戦期に創立されたが、ソ連消滅以後は域内を越えてボスニア、コソボ、アフガニスタン、リビアの軍事作戦に関わり、「グローバルな軍事同盟」としての役割を果たすようになった。2010年のリスボン会議で衛星、船舶、レーダー、迎撃を統一した指揮、管理下に置く「欧州ミサイル防衛(MD)」構築に合意しており、ラスムセン事務総長は初期運用開始を宣言した。
 スペイン、トルコ、ルーマニア、ポーランドは債務危機にも拘らず、MD施設・装備を担当し、加盟国は10億ドル以上の開発経費を負担する。リビア爆撃にドイツが参戦しなかったように「役割」については意見が分かれ、米国は「米国の利益」が尊重されないと不満を持ち、今回は 「欧州・大西洋」外の脅威の対抗策を話し合うサミットになった。


 一方、戦争と財政緊縮に抗議する集会がシカゴ市内の公園で行われ、約1万人が参加した。米国では公立病院閉鎖、刑務所・学校の民営化が進んでいる。

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