第11回アジア安全保障会議が6月1日から3日までシンガポールで開かれ、27カ国が参加、日本からは渡辺周防衛副大臣が出席した。英国際戦略研究所(IISS)が毎年主催し、会場となるホテル名から「シャングリラ対話」とも呼ばれている。今回は米防衛政策、自由航行権の保証、抑止力と地域の安全、戦争の新たな脅威、アジア太平洋地域の安全保障とリスクが中心議題で、米からパネッタ国防長官、中国から人民解放軍軍事科学院の任海泉副院長が出席した。さらに、ボーイング社など防衛ビジネスの代表者や専門家が参加した。
パネッタ長官は「パートナーシップ」としてまず日米安保をあげ、地域の「かなめ石」として海上安保・情報協力、ハイテク化を進めるとし、中国・インド・インドネシアを地域の大国としてあげ、「2020年までに米海軍力の太平洋・大西洋の展開を現在の5対5から6対4にシフトし、空母6隻、巡洋艦の大半をこの地域に展開する」と発表、非公式会談では南シナ海の領土紛争が論議された。
米軍は今年1月には日米合同演習キーン・エッジ、1〜2月にはタイを中心にコブラ・ゴールド演習、2〜4月キーリゾルブ・フォールイーグル米韓合同演習、3月コープ・タイガー演習をタイとシンガポールで、4月インドとベンガル湾でマラバー海軍演習、フィリピンでバリカタン演習を実施している。
一方、6月6〜7日、北京では第12回上海協力機構(SCO)首脳会議が開かれ、ロシアと中央アジア諸国の首脳が会合する予定だ。SCOは経済協力の推進とともに改定安保協力関連法で共同警戒・危機対応・居留民保護・避難などに合意する。
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