米大統領選挙の緑の党候補ジル・スタイン氏と副大統領候補チェリ・ホンカラ氏(ともに女性)が8月1日、フィラデルフィアの連邦住宅抵当公庫(ファニー・メイ)に対する抗議行動の中で逮捕された。さらに労働弁護士、不服従運動弁護士、シスターも逮捕された。
スタイン氏は医師、ホンカラ氏は反貧困運動の活動家で「貧困者の経済的人権キャンペーン」の創立者である。この日の抗議行動は、住宅抵当公庫に市民の住宅ローンの担保受け戻し権喪失手続きをやめるよう要請するものであった。ホンカラ氏は「世界でもっとも豊かな国で男や女、こどもを路頭に迷わすことは違法である」「家族を家に置く」よう訴えている。
スタイン氏は、「私は今、政治医である。政治がすべての病気の源であるからだ」と主張し、イラクとアフガニスタンから部隊を撤退させ、持続的発展、人種・ジェンダーの平等、累進課税制を実現するよう強調している。
米国で二大政党以外から大統領選に立候補すること自体難しい。名前を知ってもらうために全米テレビ討論に出演しなければならないが、出演するには5つの全米投票団体から有権者の15%の支持を得ていると認められなければならない。
米国の貧富の格差は過去30年で拡大した。80年代、1%の最富裕層の所得は総所得の9%を占めていたが、07年には23・5%、最高経営責任者(CEO)の所得は労働者の平均賃金の40倍であったが、現在では350倍に増大、この間、労働者の時給は7%超減少した。
40年代から80年代まで最富裕層の所得税は70%、現在は35%である。米国の99%の声をかき消させない運動が困難のなかを進んでいる。
|