インドネシアの大統領候補者は1カ月にわたる選挙戦を終えた。ユドヨノ現大統領は任期満了(憲法で3選は禁止)で、有力候補者である元軍人のプラボウォ・スビアント氏(グリンドラ党)とジャカルタ特別州知事ジョコ・ウィドド氏(闘争民主党)が争うことになる。
両者とも経済成長、格差是正、国内産業保護などを掲げ、政策に大きな違いはない。ただ出身が前者はエリート層、後者が貧困層でソロ市長経験などから庶民に人気がある点である。
総選挙は4月9日に行われ、5月9日に投票集計結果が確定、公式発表され、最大野党の闘争民主党が得票率18・95%で10年ぶりに第一党に復帰した。インドネシアでは総選挙での獲得議席数が20%以上、または得票率が25%を確保した政党もしくは政党連合が大統領候補を出す資格を持つため、上記いずれの陣営も連合を組んでいる。
選挙権は17歳以上、有権者1億9000万人が直接投票を行う。投票率は常に7割台で国民の関心は高い。
インドネシアの経済成長は10年6・2%、11年6・5%、12年6・3%と安定を続けており、対日輸出総額は第一位。また日本から同国への民間直接投資は13年、実現ベースで第一位であった。同国は安倍首相の就任後初の訪問国。日本にとって重要なエネルギー供給国。輸入石油の約9割がマラッカ海峡を通過するため、08年には海上保安庁が巡視船3隻を無償供与した。
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