7月8日からガザに対するイスラエルの空爆が続いている。11日現在、90人超が死亡、数百人が負傷、大半が子どもを含む市民だ。イ軍スポークスマンは「1100カ所の標的を攻撃、軍事的に使用されていた民家も空爆した」と発表、「ガザから550発のロケット弾が発射された」として正当化、攻撃を「堅固な崖作戦」と命名している。
しかし、双方の軍事力の差は明白で、イスラエルは対空防衛システム「アイアン・ドーム」で迎撃、重大な被害を出していない。さらに兵員4万人に動員をかけて地上侵攻を構え、「停戦は望まない」と公言している。
ガザ地区は東地中海に面した360平方キロメートル(東京23区の約6割)の面積で、そこに170万人が暮らす。外部との陸路交通は検問所によって規制され、ガザ港もイスラエルの制海権下にあり、漁船以外の利用はできない。イスラエルとエジプトから食料・消費財・建材を輸入している。
67年以来の占領下で失業率は4割超、住民の7割が貧困層で、こどもの15%は栄養不良、人権状況も悲惨だ。住民は「行政拘束」で罪状なしで監禁される。
UNICEFによれば、12歳から17歳の少年少女が逮捕後、虐待・拷問を受けている。7月2日には16歳のパレスチナ少年がユダヤ人過激派グループに誘拐され、遺体で発見される事件が起きた。
問題は双方の「憎悪の連鎖」ではない。イスラエルは圧倒的な軍事的優位にありながら、国連安保理決議を一切無視、占領地から撤退していない。
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