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2014.08.12

影響力増すBRICS
ブレトンウッズ体制の克服へ




 
 第6回BRICS首脳会議が7月14日から16日までブラジルで開かれ、宣言と行動計画を採択、新開発銀行と緊急外貨準備制度の設立に合意した。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国の頭文字を取ったもので、人口で世界の43%、面積で地球の27%を占める。
 09年の第1回首脳会議以来、国際関係の民主化と現存国際制度の強化を訴え、加盟国内での協力関係を強めてきた。会議はウクライナ東部、イラク、ガザでの戦争状態、米欧の金融制度を揺るがす経済危機の真っ只中で開かれ、新たな国際秩序について討議された。16日には南米諸国の指導者たちとも会合を行った。


 ブレトンウッズ体制が少数の先進国と多数の発展途上国を生み出し、格差と貧困を広げる中で、中南米・カリブ諸国はIMF・世界銀行の押し付ける条件(構造調整策)で80年代は「失われた10年」、90年代は「絶望の10年」という新自由主義の支配下に置かれた。
 1989年のカラカソ事件に始まる「新自由主義の拒否」の社会運動・大衆運動の勝利は政治地図を塗り替え、西半球は統合と団結の新たな時代に入った。この地域に中国、ロシア、インド、南アフリカが協力関係を打ち立ててきている。

 
 日米欧はBRICSの動きを「現存秩序への挑戦」と受け止めて警戒している。ウクライナ危機を機にロシアに制裁を加え、リバランス政策で中国の海洋進出を阻もうとし、インドには楔を打ち込み、切り離そうとしている。


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