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2014.08.26

エボラ出血熱
製薬会社の新ビジネス




 
 年初にエボラ出血熱の感染が西アフリカで確認されて以来、8月12日にはスペインに帰国して治療中だった神父が死亡した。同神父はリベリアで慈善団体が運営する医療施設で患者の支援に当たっていた。
 16日までに死者はリベリア、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリアで千人を超え、「国境なき医師団インターナショナル」によれば、病気は急拡大しており、封じ込めに6カ月以上かかるという。また2人の米人医師の患者が帰国し、実験段階の薬で治療中である。


 ハブ空港であるケニアのナイロビ空港は感染地帯からの入国を禁止、人や物の移動が制限されていることから隔離された地域では食糧難が懸念されている。中国の南京で行われているユース五輪では格闘技と水泳から3選手が除外され、サッカーのアフリカ選手権の予選では会場が変更になった。保健衛生上の危機が食料やスポーツにまで影響している。


 エボラ出血熱は1967年に初めて報告され、ウイルスは体液接触などで感染、発熱・頭痛・下痢・嘔吐・出血を伴い、死亡率が高い。今回は必要な医療インフラの整っていない地域で発生し、住民が病気について無知であったことが感染を拡大させている。
 50年も前から知られた病気であるのに熱帯病治療に対する研究は進んでいなかった。背景に数百年の奴隷史、戦争、資源収奪など社会発展をそがれた貧困がある。
 また、実験段階の薬が帰国米国人患者に使われ、大製薬会社が開発競争している。

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