世界保健機関(WHO)は9月26日、西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱の感染者が6500人を超え(23日時点)、死者は3300人以上に達したと発表した。医療従事者も370人以上が感染、200人以上が死亡している。把握できていない症例もあり、実数はこれを上回る。
国連安保理も18日に緊急会合を開き、エボラ出血熱は「国際社会の平和と安全に対する脅威」になっていると位置づける決議を全会一致で採択、加盟国に迅速な支援を求めた。
シエラレオネに165人の医師団を派遣すると決めていたキューバ政府は25日、さらに461人まで増員してリベリア、ギニアにも送ることを発表した。志願者は1万5000人に達したが、派遣される医師・看護士は緊急医療の経験が15年以上ある人が選抜され、ペドロ・コウリ熱帯病研究所で集中訓練を受けている。
医師団は「ヘンリー・リーブ部隊」と呼ばれ、自然災害・緊急支援に対応する編成で05年にハリケーン・カトリーナが米国を襲ったときに組織された。当時のブッシュ政権が医師団の派遣を拒否したため、キューバから医療支援はされなかったが、名称の「ヘンリー・リーブ」は19世紀の独立戦争時、独立軍とともに戦い、戦死したニューヨーク出身の青年の名に由来している。
国際通貨基金(IMF)と世界銀行も経済再建のための緊急支援策を発表した。WHOは、現地の医療衛生当局の拡大阻止能力を上回る感染の規模に医療従事者の派遣を国際社会に要請している。
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