9月23日からシリア空爆が続いている。米・NATO軍に湾岸諸国とヨルダンなど中東5カ国が参戦、岸田外相は「支持」を表明している。
空爆はシリアの主権侵害、国際法違反である。アフガニスタン、イラク、リビアでも使用されなかったF―22ステルス戦闘機が展開、テロリスト駆逐という目的には過大な火力である。
「化学兵器」の次は「ISIS=イスラム国」、そして「ホラサン・グループ」の出現である。政治的には「大中東構想」の遂行、経済的には天然資源と輸送ルートの確保、一方の軍産複合体はこの数日間の攻撃で収益は急上昇、投資が大々的に進んでいる。イラクではマリキ政権が退陣した。米国にとってイラクは「イランと組んで中国に石油を売っている」「シリア攻撃に反対」という存在。シリア、イラクの領土はイランへ通じる道だ。
攻撃の標的にラッカ市内の「イスラム国」戦闘員が退去した人影のない建物と12カ所の石油精製所があった。しかし、米CBSは市内で戦闘員が祝日のごちそうを楽しんでいる映像を報道している。
米軍は、精油所破壊は石油が盗まれ、その売却益が最大の収入源になっているからだと発表している。だが、「イスラム国」要員の組織・訓練者は03年「イラク戦争」以来、「アラブの春」を通じて英米・イスラエルの情報機関であり、各国からリクルート、最大の資金供給源はサウジアラビア・カタール(の資産家)
である。
廬溝橋もトンキン湾も戦争正当化の口実であった。
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