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2014.11.25

ミャンマーへの視線
経済成長と地政学的位置



 人口約5100万人、経済成長率年平均6%のミャンマーに日本資本が熱い視線を向けている。
 日本は官民一体でヤンゴン郊外のティラワ工業団地のインフラ整備を請け負っており、11月12日には「第9回東アジア・サミット」出席のため首都ネーピードーを訪問中の安倍首相がテイン・セイン首相と首脳会談、西部ラカイン州のダウェー開発について約束した。
 日本政府は、ミャンマーは「民主化・法の支配の強化、国民和解、経済改革に向け取り組んでいる」と評し、「官民総力をあげて支援していく」構えである。


 インドシナ半島にはインド洋へ抜ける東西回廊(ベトナムのダナンからミャンマーのモーラミャイン)、南部回廊(ホーチミンからバンコクを経てダウェー)、南北回廊(雲南省からバンコク)の国際道路の工事が完了している。企業はインド・欧州への国際物流ルートとして、道路整備・管理、時間・コストの低減に関心が高い。
 ダウェー経済特区で港湾・石油化学施設が開発されればマラッカ海峡を通過することなくインド洋と太平洋が結ばれる。中国はすでにインド洋に面したラムリー島から昆明市、貴州省への石油・ガスのパイプラインを敷設しており、経済関係は深い。


 ミャンマーは多民族の国。長く軍事政権と非難されてきたが、武装反乱勢力が存在し、過激な仏教徒集団がイスラム教徒を襲撃する事件も起きている。「民主化の進行」を理由に外資が進出、米欧日は中国・インドを射程に入れた国際関係の主導権争いを始めている。


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