新社会党
  1. トップ
  2. 週刊新社会
  3. 世界の動き
  4. 2015.01.13
2015.01.13

EUは誰のものか?
単一市場の危機と戦争挑発


 これまで一貫してギリシャのユーロ圏からの離脱を阻止する姿勢だったドイツのメルケル政権が、1月25日に実施されるギリシャ議会選挙で財政緊縮策に反対する野党が勝利したらユーロ圏からの同国の離脱を容認するという可能性を明らかにした。ギリシャでは久しく「EUやIMFから借りた政府債務を返済するために課せられる緊縮策に反対」の声は強く、政権は不安定だ。同様の国民規模の不満はポルトガル、スペイン、イタリア、フランスなどでも噴出している。公務員削減・社会保障後退・貧富の格差拡大は耐え難い社会生活を欧州諸国民に強いている。


 欧州統合は、欧州の平和と単一市場の形成で持続可能な経済発展を目指していた。しかし、ギリシャではその過程で地場産業が壊滅的になり、「ドイツに食い物にされた」と市民は反発している。白物家電工場は独企業に買収され、輸入品を納める倉庫にされた。
 こうした現象はギリシャ一国に限られたものではない。大投資銀行・投機組織・格付け機関の金融攻勢は財政危機を「救済する」ことはない。


 さらにウクライナ問題をめぐる対ロシア制裁でもEU各国は足並みがそろわない。オランド仏政府は「ウクライナ危機で解決があれば制裁を解除する」ことを5日に提案し、さらにオランド大統領は「プーチン大統領に東ウクライナを併合する意図はない」と述べた。15日にはカザフスタン共和国のアスタナ市でウクライナ東部ドンバスでの紛争を止める方法についての会議が予定されている。


 ↑上にもどる
一覧へ
TOPへ