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2015.03.03

ウクライナ
政権転覆から1年、情勢は悪化



 ウクライナのヤヌコビッチ政権が2014年2月22日に打倒されてから1年が過ぎた。情勢は悪化している。この間、民間人死者は5000人超、避難者は100万人を超えた。


 ウクライナではソ連邦消滅後の独立以来、90年代の民主化、民営化の過程で財をなした新興財閥(オリガルヒ)が政権を担ってきた。政治腐敗、公金横領などで12年には国家財政はデフォルト(債務不履行)状態、IMF融資を受けたが、効果はなく、欧州の最貧国の一つになっていた。
 富豪に対する国民の怒りは爆発していたが、右派勢力も非常に活発になった。13年11月のEU加盟手続き見送り問題は翌年2月のマイダン広場の暴力事態に発展、政権は転覆された。旧ナチ及びネオナチ集団が暫定政府や治安機関、教育機関に勢力を伸ばした。
 狙撃手によるデモ参加者の殺害、労組・共産党事務所への襲撃が続く中、南東部のドネツク、ルガンスク州は住民投票で圧倒的多数の賛成で分離独立した。6月に現ポロシェンコ政権が成立したが、極右勢力との連立政権を立て、外国人を入閣させた。南東部での戦争継続政策、IMFの融資条件などで経済は破綻、年末には通貨が40%切り下げとなった。


 ウクライナ国軍にはすでに外国製武器も供給され、戦闘地帯で使用されている。2月12日に独、仏、ロシア、ウクライナ間で停戦合意が成立したが、デバリツェボでは激戦になった。米欧はロシアを非難しながら対ロ制裁を巡って対立、NATOは冷戦後最大の動員態勢を構えている。


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