冷戦下の1955年4月、第二次大戦後に植民地支配から独立した29の国と地域がインドネシアのバンドンに集まり、「第一回アジア・アフリカ会議」を開いた。会議は「平和十原則」を採択して、米ソいずれの陣営にも属さない第三の立場を志向し、「第三世界」を確立させた。主導した指導者はインドネシアのスカルノ大統領、中国の周恩来首相、インドのネルー首相、エジプトのナセル大統領たちであった。
この流れは61年のベオグラード会議で当時のユーゴスラビアのチトー大統領が加わり、植民地主義・新植民地主義に反対し、諸国民の経済・文化の発展、領土・主権の相互尊重、相互内政不干渉、平和共存を求める「非同盟運動」として発展してきた。
今年は60周年、「世界平和と繁栄を進める南南協力」のテーマで記念会議が4月22日からジャカルタで始まり、120の国と地域、17の国際機関から参加、安倍晋三首相も出席した。
開催国インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は演説で「バンドン精神」から60年を経てなお世界に不正義や不公正が残っていると指摘し、大国の実力による現状変更を批判した。さらに世銀・国際通貨基金(IMF)・アジア開発銀行は世界の経済問題に対処できないと強調した。中国の習近平国家主席はアジア・アフリカの協力深化、南南協力の拡大、南北協力の推進を提言、陸と海のシルクロード建設を進めることを強調した。
安倍首相は22日、ジョコ大統領、習主席と会談、その他の二国間会談も行った。
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