ミャンマー西部に住む少数民族ロヒンギャとバングラデシュ人を乗せた船が漂流している問題で5月29日、タイの首都バンコクで日本を含む17カ国の担当者及び国際機関による対策会議が開かれた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は迫害が原因だとしてミャンマー政府に「市民権を与える」よう対応を求めたが、同政府は不法労働者として反発している。
周辺国のマレーシア、インドネシア、タイなどは臨時的措置をとっているものの長期的には定住先へ送る予定、バングラデシュ政府は自国の難民キャンプ内のロヒンギャを観光業に不都合として最寄りのハティヤ島へ移住させる方針。他方、ミャンマー政府は出身国調査でバングラデシュに帰還させる政策である。
難民は漁民や軍に救助されても、「(無国籍者の地位に関する)国連難民条約」があっても行き場がない。ロヒンギャは英インド植民地統治、第二次大戦中の日本の鬼畜米英政策から生じた歴史的反目の被害者であり、ここ数年は反イスラムの仏教徒から組織的襲撃を受けている。
大量出国の背景は「差別・貧困から逃れて平穏に働きたい」ことにあり、子ども連れで船に乗る。難民は上陸を阻まれ、生死の狭間をさまよって漂流している海はランカウィ島、プーケット島など外国人観光客がビーチやクルーズ、マリンスポーツ、長期滞在を楽しむリゾートの海、風光明媚なアンダマン海だ。この海でロヒンギャは漂着しても密入国者として拘束、殺害され、数百カ所の集団墓地で見つかった。
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