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2015.07.07

米NATO対ロシア
機械力強化への道



 東方拡大するNATOに対し、ロシア政府は核兵器能力の向上計画を発表した。一方のNATOも核攻撃能力を見直し、戦車・自走りゅう弾砲などの通常戦力を集団的自衛権にもとづきバルト3国、ブルガリア、ルーマニア、ポーランド、ドイツなどに配備した。ロシア周辺国に攻撃兵器を配備して包囲する政策である。


 イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長(14年3月就任)は元ノルウェー首相、青年時代はノルウェー労働党青年組織の代表としてNATO加盟反対し、米ベトナム戦争反対で在オスロの米大使館の窓を破った人であった。
 90年代から政治に関わり始め、ブルントラント政権下で入閣、この間に同国は軍事強化政策をとり、アフガニスタン占領に加わり、11年にはリビア空爆に積極的に参加した。彼には「ミスター・ジグザグ」というあだ名もあり、現在、ウクライナ危機をめぐり、「ロシアが軍事支援している、重火器や戦車、防空システムが常時流入している」と非難し続ける一方、「ロシアはパートナー」と呼んでいる。


 対立問題はNATO対ロシアの欧州の枠にとどまらない。クリントン政権の「NATOは東欧に入り込まない」から、ブッシュ政権の「対ロシア先制核攻撃」政策へ変換。「イランの脅威」を口実にMD配備、オバマ政権でウクライナ問題が発生、米ロ対立、経済制裁へと進んでいる。
 米政権にとってウクライナ危機は民主主義や平和、正義の問題なのではなく、欧州への覇権確立、ロシアに混乱をもたらす手段なのである。


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