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2015.07.21

ギリシャ国民投票
緊縮財政策にNO!



 7月5日、ギリシャでEU・ECB・IMFの提案する協定、すなわち80億ユーロの融資と引き換えに一層の緊縮財政を求める改革に賛成か、反対かを問う国民投票が行われた。結果は反対61・31%、賛成38・69%であった。財務相は辞任、ツァカロトス新財務相が債権団と交渉を続けることになる。
 数日前から銀行窓口は休業、年金等引き出しのために現金自動受け払い機(ATM)に行列ができ、現金引き出しにも制限が設けられた。この間に労働者の解雇や会社によるロックアウト・賃金不払いが並行し、商店は経営破たんに直面している。


 チプラス政権は今年1月に成立したばかりだが、これまでギリシャへの多額の財政支援の90%は銀行債務の償還に使われ、雇用促進や景気回復に役立つことはなかった。社会政策切捨てと増税、民営化、倒産・失業が増えるばかりで、昨年の実質賃金は5年前と比較して17%の下落であった。
 同様の「歳出削減策」を融資条件とする政策に反対する国民の意思は10年のアイスランド国民投票でも見られた。債権団は「EUにはEUの規則がある」としてギリシャを特別扱いすることはない。状況はスペイン、ポルトガル、イタリアも同じだ。財政収支が黒字のドイツでも格差は拡大している。


 なぜ欧州市民が民間銀行の負債を償還しなければならないのか。EUはだれの利益を守るのか。国民投票が賛成でも反対でも市民生活の惨状が続く中、ユーロ危機によって「連合」が問われている。


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