オバマ米大統領は9月11日、ホワイトハウスで01年同時多発テロ事件14周年への黙祷をささげた。しかし、死亡した米国人を追悼したが、「テロ戦争」犠牲者への追悼はなかった。
ブッシュ前政権は「アルカイダ」を口実にアフガニスタン空爆を正当化、米民間団体、ボディ・カウントによれば15年3月までに同国で10〜17万人、隣国パキスタンとイラクでの犠牲を加えると130万の民間人が死亡している。
この間にテロ組織は拡大、その脅威は多様化し、広がった。各国では愛国法、秘密保護法などが施行、通信の自由が管理され、サイバー戦争は国内でも現実となり、内部告発者が訴追されている。
同時に税法、労働法、エネルギー関連法、金融・投資法が多国籍企業優遇に改定、旅行・移民など人の移動はテロ対策の一環として手続き・取締りが厳重になった。
前ブッシュ政権以前にも米政権はレーガン時代にグレナダ、リビア、ブッシュ父時代にパナマとイラク、クリントン時代にスーダン、セルビア、ソマリアに「独裁」「テロ」を口実に軍事干渉、政権を転覆し不安定化させてきた。
米政権担当者が「この戦争はわれわれの時代には終わらない」と言う通り、現在、戦争は中東・北アフリカ・欧州に広がり、主権の危機、人道の危機、経済の危機を生み出し、新たな型の軍事集団をつくり出している。ロシア・中国を巻き込む局面も生まれている。
この14年間、諸国民は戦争激化を目の当たりにしている。
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