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2015.10.06
空洞化する国連
揺らぐ平和の基準



 国連創設70周年の今年、第70回国連総会がニューヨークで始まった。安倍首相も一般演説のため日本を出発した。


 中国の習近平国家主席は初めて総会に出席し、途上国支援のために20億ドル(約2400億円)の基金を設立し、貧困国に対しては投資増額や債務免除の方針を発表した。また、ローマ法王は国連と国連安保理の改革を訴えた。国連開発サミットでは30年までの貧困・環境対策の共通目標が採択され、持続可能な開発目標のために努力することが再確認された。
 しかし、00年9月の「ミレニアム宣言」から15年、今も世界人口の3分の2が低開発の下に暮らし、南北格差は拡大し続け、多国籍企業の利益増大の裏で多数の国民が緊縮財政に苦しんでいる。


 パレスチナ問題は長年解決されず、宗派的武力紛争や政権転覆内戦は増加中だ。ルワンダのような大量虐殺の防止にも無力であった。国連の平和への役割は後退し、いわゆる「人道的介入」で不安定地域が拡大、難民数を急増させている。国連平和維持活動(PKO)隊員による不名誉な実態も明らかにされている。
 大地震の起きたハイチでは隊員によってコレラ菌がもたらされ、18歳未満の少女が空腹や乳児・家族のために必要な物を得るため、常態的に性的関係を強要されていると報告された。シリアとウクライナの戦闘状態に関しては、国連は前者ではNATO諸国・反政府勢力側を支持、後者ではファッショ政権を支持するなど力による国際関係に打ち勝てず、平和を脅かす側に回っている。


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